時は昭和５６年８月１日。
東北の田舎町に住む高校１年生が、東京の親戚の家に遊びに行った。
真夏の太陽がまぶしかったその日、たまたま通りがかった「田園コロシアム」では
「チャゲ＆飛鳥」のコンサートの準備が行われていた。「夏祭り」という言葉につられて当日券で会場に入った。
この段階では「万里の河の人たちか」ぐらいの認識で、チャゲ＆飛鳥の曲はほとんど知らなかった。
チケット片手に探した席はステージ左のＰＡスピーカーの前。ステージは前の方がかろうじて見える程度。

…やがて太鼓の演奏でコンサートがはじまった。初めての東京。初めての野外。初めて見る「チャゲ＆飛鳥」。
コンサートが進むに連れて少年は、目の前で力いっぱい歌う「大学生のお兄さん２人」が大好きになった。
チャゲの「どこから来たかアンケート」に「東北」で手を挙げた時、周りの人に拍手されたこと。
コンサートの最中に田園コロシアムの横を電車が何回も通ったこと。

…あの日のことは今でも良く覚えています。
そんな少年も現在４４歳。ちょっと歳はとったけど、気持ちは「あの時」のままです。